中国を含む海外駐在をする人の目的は様々です。
- 自分の経験のため
- 昇進のため
- 日本の仕事がつまらなすぎて逃れたい
- お金がたくさんもらえるから
その中でも”お金”が大きな動機の一つであることは間違いありません。
筆者も中国に2年間駐在したことがあり、海外手当に加えて、日本での税金がかからないこともあり、貯金ペースはUPしました。
2019年に老後2000万円問題が話題になりましたが、せっかく稼いだお金をしっかり守って、将来困らないように備えたいですよね。
この記事ではYouTubeで人気の税理士・大河内薫さんと漫画家・若林杏樹さんがタッグを組んだ”お金について学べるギャグ漫画”
『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』(通称:お金のお守り本)
を読んで、資産を増やすチャンスが多い海外駐在員が将来お金に困らないための「お金の守り方」をまとめました!
この記事を読んで「お金の基礎知識」を身に着けて、将来のお金の不安を無くしましょう!
結論から言うと、
- 「貯金だけ」ではお金を守れない!
- 保険を見直せば大きく節約できる!
- 海外駐在から帰任した後なら「つみたてNISA(ニーサ)」をはじめる!
- これから駐在する予定なら「iDeCo(イデコ)をはじめる!
- 「オフショア投資」は無視する!
えなみち(@Enamichi7)
・OA機器メーカーのエンジニア
・仕事で2018〜2020年に中国・深圳の工場に2年間駐在
・中国語検定3級
・2021年8~10月Ciiitz(シーズ)を受講
3カ月間毎日勉強を継続して累計180時間超
・2021年12月にHSK4級合格(听力,阅读,写作 それぞれで8割超)
1.「貯金だけ」ではお金を守れない!

「お金を守るなら、貯金しておけば安全じゃないの?」と思う人は多いハズ。
しかし、安全な銀行に預けたはずのお金は減るリスクがあります!
原因は2つあります:
- 銀行の超低金利と、高くなる一方の手数料
- 物価が上がっている
銀行の超低金利と、高くなる一方の手数料
三菱UFJ銀行などのメガバンクや、ゆうちょ銀行の普通貯金の金利は「0.001%」です。
≫三菱UFJ銀行の円預金金利(外部サイト)
100万円預けても1年で10円。
10年預けてもたった100円…。
その一方で、手数料がバンバン値上げされています。
≫ゆうちょ銀、17日から現金取引に手数料(外部サイト)
これではお金が増えるどころか、減っていく一方です。
物価が上がっている
最近身近なモノの値上げが相次いでいます。
≫うまい棒 1本12円に初値上げへ 1979年から10円も維持難しく(外部サイト)
継続的に物価が上がることを「インフレ」と言います。
同じモノでも買うために必要なお金が増える=「お金の価値が相対的に減る」状態です。
原因は色々あります:
- コロナ禍の景気対策で各国が紙幣を刷りまくっている(お金の価値が下がっている)
- 経済が拡大し続け、資源が不足して物価が上がる
この物価上昇は一時的なものではなく、日本を含む主要国の中央銀行が2%のインフレ目標を掲げています。
今貯金が100万円あったとしても、今後物価が毎年2%ずつ上がっていくと、10年後・20年後に100万円の価値は下がります。
「お金を増やす」ために「お金を使う」
貯金ではお金の価値が下がるリスクがあるので、お金を守るには増やす必要があります。
具体的には「投資」です。
「投資」と聞くと、ギャンブルのようにお金を失うリスクばかりを想像しがちです。
しかし、投資とは「お金を使うことによって未来に利益をもたらすもの」です。
例えば…
- 自己投資して稼ぎを増やす
- 適切な金融商品を買って値上がり利益を得る
『お金のお守り本』の3章「投資でお金を守る!」では、後者の「金融商品を買う」投資について、解説しています。
詳しくはこの記事の後半で紹介しますが、待ちきれない方は以下のリンクから飛べます。
≫投資でお金を守る!
投資の必要性について、まだピンとこない人もいるかもしれません。
そこで、「投資でお金を増やす」場合と、「貯金でお金を増やす」場合を比較してみます。
投資で金を増やす場合
- 投資で平均的な利回りは5%
- 100万円を元手に利回り5%で15年運用すると、複利の効果で2倍の200万円になる!
貯金でお金を増やす場合
- 銀行の普通預金の利息は0.001%
- 2倍になるは…なんと7万年後…。
7万年も待てませんよね?
投資の大切さがわかっていただけたと思います。
お金が減る原理については税理士・大河内さんのYouTubeチャネルでも分かりやすく解説しています。
2.保険を見直せば大きく節約できる!

「投資をするにしても、そんなお金ないよ!」という人は、まずは保険を見直すのがオススメです。
保険は長い期間払い続けるものなので、保険を見直すと、大きな節約になります!
社会保険の保障内容を知る
社会保険は主に4種類あります:
- 年金保険
- 医療保険
- 労働保険
- 介護保険
日本の社会保険は世界的に手見ても、とても手厚いんです。
社会保険で保障される内容を理解した上で、それでも不足する分を民間保険でカバーするようにしましょう。
基本的には「起きる確率は低いけれど、起きると大ダメージを受ける」場合だけ民間保険をかけておけばOK!
他は貯金があればカバーできます。
起きる確率は低いけれど、起きると大ダメージを受ける場合
- 死亡した場合…国の年金保険(遺族年金)+生命保険でカバー
- 家が火事になった…火災保険でカバー
- 自転車で人を大けがさせた…自転車保険などの個人賠償責任保険でカバー
おススメの民間保険については『お金のお守り本』のコラムで紹介されているので、検討している人はチェックしてみてください!
国の保険はスゴイ
例えば、医療保険(会社員は健康保険、自営業は国民健康保険)は以下のような保障があります。
国の医療保険の保障内容
- 自己負担額軽減:医療費は3割負担で良い
- 高額療養費制度:1ヵ月の医療費の上限を超えた分は戻ってくる。
※年収500万円なら約9万円が限度額 - 出産育児一時金:出産時に42万円支給される
- 出産手当金(会社員のみ):産休中に給料の2/3が出る
- 傷病手当金(会社員のみ):
仕事中に病気・ケガで4日以上働けない場合、給料の2/3が出る
これだけ保障があれば、入院・手術の費用や、働けない期間があっても貯金で備えられますす。
『お金のお守り本』の2章「税金と保険でお金を守る!」では、「年金保険」の詳細についても書かれていますので、ぜひ読んでみてください!
年金制度は破綻することはないよう設計されていることが分かりました。
老後にもらえるお金以外にも給付金があるので、本で要チェック!
不要な民間保険は解約する
国の保険のスゴイことがわかりましたね。
ここからは以下の手順で、「本当に必要な民間保険」を絞り込みます。
- 「病気の時」「死亡や働けない時」に国の保険でいくらもらえるのか把握する
- 必要な生活費・家族に残したい金額を計算する
- 貯金や国の保険の保障ではカバーしきれない不足分を計算する
- 不足分だけ民間保険に入る
例えば、100万円以上の貯金があれば、民間の医療保険は不要です。
貯金がまだ無い人は貯金ができるまでの間だけ加入すればOKです。
生命保険は「持ち家があるか、ないか」
就業不能保険は「会社員か、フリーランスか」
によって変わってきます。
詳しくは『お金のお守り本』をチェック!
筆者の場合、生命保険・自転車保険・火災保険は残して、他の民間保険は解約しました。
解約した民間保険
- 医療保険…貯金と高額療養費制度でカバー
- 就業不能保険…会社員は傷病手当金がある
- 地震保険…集合住宅で満額支払われるケースはほぼない
保険の見直しで月々の保険料金が約1万円減りました。
その効果は1年で約12万円、10年で約120万円!
保険を見直すと、大きな節約になります!
3.投資でお金を守る!

保険の見直しや海外駐在で生活費の6カ月~1年分の貯金ができた後、余剰資金で投資をはじめます!
でも、その前に投資は短期的にはお金が減るリスクもあることをしっかり理解しておきましょう!
投資を始めて、金融商品を買った直後に価格が下がることも十分あり得ます。
そのために生活防衛資金を貯めてから投資を始める必要があるんです。
生活費を投資に突っ込んではダメ、ゼッタイ。
ただし、投資先を間違えなければ、15年以上の長期運用で勝率はかなり高くなります!
参考記事:
≫全世界株投資で絶対に押さえておきたい鉄則の9箇条【第5話】(外部サイト)
基本戦略は以下の通り:
- 投資初心者は国のオトクな制度をフル活用する!
- 海外駐在から帰任した後なら「つみたてNISA(ニーサ)」をはじめる!
- これから海外駐在する予定なら「iDeCo(イデコ)」をはじめる!
- 「オフショア投資」は無視する!
投資初心者は国のオトクな制度をフル活用する!
投資初心者には、国が用意した「つみたてNISA(ニーサ)」か「iDeCo(イデコ)」のどちらか、あるいは両方を活用しましょう!
共通の特徴は以下の通り:
- 長期投資を行ってリスクを抑えた安定的な運用をするのに向いている。
- 少額からはじめられる(つみたてNISA:1000円/月~、iDeCo:5000円/月~)
- 値上がりなどで利益が出た分に対して税金がかからない(通常は約20%)
運用益に対して課税されない点が最大のメリットです。
「投資信託」について詳しくは『お金のお守り本』の4章「投資信託~理解編~」を読んでいただきたいですが、ザックリいうと、「株式の詰め合わせパック」です。
少額から投資でき、投資先も分散されるので、投資初心者にはうってつけ!
投資信託を選ぶポイントは2つです:
- 指数に連動する「インデックス投資」:手数料が安く、運用成績もそこそこ
- 「アメリカ」や「全世界」の株価指数に連動しているもの:今後も成長し続ける可能性が高いところに投資する
具体的な銘柄は『お金のお守り本』189ページで紹介されています!
海外駐在から帰任した後なら「つみたてNISA(ニーサ)」をはじめる!
海外駐在から帰任後であれば、必ず始めておきたいのが「つみたてNISA(ニーサ)」です。
特徴は以下の通り:
つみたてNISAの特徴
- 投資できる上限額が年40万円まで(月々33,333円まで)
- 資金の出し入れが自由
- 取り扱う金融商品は金融庁の審査を受けている投資信託のみで、比較的安全。
- 海外居住者は解約or口座維持(追加投資不可)
残念ながら、海外居住者は「つみたてNISA」で積み立てを続けられないので、海外駐在員の投資には向きません。
しかし、海外駐在から帰任した日本在住の人は非課税で投資を始められます!
大手銀行や店舗型の証券会社は手数料が多くかかったり、選べる銘柄が少なかったりするので、手数料が安く、選べる銘柄も多い楽天証券やSBI証券などのネット証券がオススメです。
取り扱い銘柄 | |
SBI証券 | 170本以上 |
楽天証券 | 170本以上 |
三菱UFJ銀行 | 12本 |
ゆうちょ銀行 | 8本 |
野村証券 | 7本 |
私も中国駐在から帰任したあと、
2021年からSBI証券でつみたてNISAをはじめました!
YouTubeチャネルでも「つみたてNISA」について分かりやすく解説されているので、本と併せて見ると、理解が深まります!
これから海外駐在する予定なら「iDeCo(イデコ)」をはじめる!
これから海外駐在の予定がある人は、「iDeCo(イデコ)」への加入を検討してください。
帰任後の人も、「つみたてNISA」を上限まで投資してもまだ資金に余裕がある場合、他の投資に手を出す前に「iDeCo」を利用したほうがオトクです。
特徴は以下の通り:
iDeCoの特徴
- 個人ではじめられる「じぶん年金」(企業版は企業型DC)
- 会社員の拠出上限は会社の退職金制度によって変わる(詳しくは本の中で解説)
- 拠出した金額がすべて控除になる(所得が多いほどオトク)
- 60歳まで途中解約不可(拠出額の変更やストップは可能)
- 受け取り時の方法が選べる(一括 or 分割)
- 海外居住者も加入できる(2022年5月~)
- 2022年10月~すべての会社員が加入できる
特に注目すべき特徴が、海外居住者も加入できるように2022年5月から法改正されることです!
家族帯同の場合も、厚生年金の加入者(第2号被保険者)に扶養されている配偶者(第3号被保険者)も掛金の拠出を継続できます。
注意点としては、出国前に両親・兄弟など、郵便物の受け取りをお願いできる人の住所に変更しておくくらいです。
海外在住の人は、通常は日本の証券会社を通じて投資ができません。
日本の証券会社は、日本以外で証券業務を行う認可をもらっていないからです。
なので、海外駐在員にとって数少ない投資手段が「iDeCo」か「企業型DC」になります。
海外駐在している間は住民票を抜くので所得税は無く、節税効果は薄まりますが、
海外駐在中でも非課税で投資できるお得な制度を使わない手はありません!
「iDeCo」も手数料や品揃えが有利なネット証券(SBI証券や楽天証券)がオススメです。
アメリカの証券会社を利用して投資することも可能です。
しかし、駐在先での税金計算や英語力が必須なので、投資初心者にはオススメできません…
YouTubeチャネルも併せて見て「iDeCo」の制度の理解を深めましょう!
企業型DCで「マッチング拠出」ができる場合は、「iDeCo」と「企業型DC」を併用するよりも手数料が安くてオトクです。
参考サイト:
≫企業型確定拠出年金のマッチング拠出 節税メリットはどれくらい?【漫画付き解説】(外部サイト)
「オフショア投資」は無視する!
「海外在住 投資」で検索すると、「貯蓄保険」「海外積立」「オフショア投資」などを紹介するサイトや動画をよく見かけます。
しかし、手数料が異常に高い悪徳ブローカーが多く、投資初心者が手を出すべきではありません。
本来「保険」「投資」「貯金」は別物モノです。
別々にやりましょう!
「保険」という名前が付いていても、れっきとした「金融商品」です。
日本で登録を受けずに金融商品取引業を行うこと(広告・勧誘含む)は違法ですし、海外での契約もグレーゾーンです。
参考サイト:
≫無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください(金融庁)
また、内容が複雑なため、為替リスクや多額の手数料で大損する可能性があります。
参考サイト:
≫「外貨建て保険」に潜む恐ろしい”闇”と”ワナ”(東洋経済ONLINE)
≫第35回 オフショア積立保険(RL360・プレミアトラスト・メティス)に気をつけろ【お金の勉強 初級編 】(YouTube)
『お金のお守り本』にも書かれていますが、
「理解できないものには投資しない」ことが大事!!
もし知り合いや友人から勧誘を受けたとしても、全力で断りましょう!
まとめ:『お金のお守り本』を読んで、お金の基礎知識を身に着けよう!
海外駐在員のお金の守り方のおさらいをします!
- 「貯金だけ」ではお金を守れない!
- 保険を見直せば大きく節約できる!
- 海外駐在から帰任した後なら「つみたてNISA」をはじめる!
- これから海外駐在する予定なら「iDeCo」をはじめる!
- 「オフショア投資」は無視する!
『お金のお守り本』には「つみたてNISA」や「iDeCo」の実際の操作画面と手順が載っているので、ぜひ本を見ながら実践してみてください。
『お金のお守り本』はAudible(オーディブル)で”聞く”こともできます。
2022年1月から定額で12万冊が聞き放題になり、30日間無料キャンペーンをやっています!
無料キャンペーン中に『お金のお守り本』以外の本も聞き放題なので、かなりオトクです。
まだ試していない人は以下のボタンから申し込めます。
今なら30日間無料キャンペーン中!
Audibleで無料で『お金のお守り本』を聞く!『お金のお守り本』は漫画がメインなので、ぶっちゃけ耳で聞くだけだと内容が分かりづらいです…。
わかりやすいグラフや操作画面が載っている本もいっしょに読むことをオススメします!
また、海外駐在の準備はお金だけではありません。
中国に駐在した経験から、通訳がいるとしても現地語を勉強する必要があると考えています。
以下の記事でその理由を筆者の駐在経験を交えて解説しているので、ぜひ読んでみてください!
≫中国駐在員が中国語を勉強するべき5つの理由【通訳がいても必要!】
中国語を効率よく学ぶ場合は中国語コーチングがオススメです!
コーチングについて詳しく知りたい人は以下の記事も役に立ちます。
≫社会人におすすめ!中国語コーチングの魅力とは?
この記事を最後まで読んでくれたみなさんに幸あれ!
再见!(=゚ω゚)ノシ
|彡サッ